モーグルは、一本の滑走が20秒ちょっとで終わります。4年かけて仕上げたものが、その20秒で決まる。三度その場所に立って、身体に残ったのは技術より先に「いましかない」という感覚でした。

遠藤 尚 — Sho Endo
ikutoのロゴには now or never と入れています。ただの威勢のいい言葉のつもりはありません。子どもが「やってみたい」と言った日。選手が跳べそうな気がした日。犬と歩きたくなった日。そういう日は、待っていても戻ってきません。だからその日に飛び込める場所を、先に用意しておきたかった。
いまは冬に雪、夏に水と山、それから珈琲を焼いて、園児に運動を教えて、ROMというトレーニングギアをつくっています。ばらばらに見えるかもしれませんが、僕の中ではぜんぶ同じです。面白いからやる。それを続けていたら、廃校がひとつ、遊び場になっていました。
ikutoという名前には「育つ」「育てる人」という意味を込めました。でも僕が本当に育てたいのは、選手や技術より前に、遊びをやめない人です。遊びつづける人は、いくつになっても強い。それを東北のこの場所から、証明していきたいと思っています。
1990年7月4日、千葉県船橋市生まれ。3歳からスキーを始め、16歳で日本代表に選出。フリースタイルスキー・モーグルでバンクーバー・ソチ・平昌の冬季五輪3大会に出場し、2010年バンクーバーではモーグル日本人男子最高順位となる7位入賞。2015-16シーズンには日本人として初めて、ワールドカップ総合1位の証「イエロービブ」を獲得した。2018年平昌五輪後に現役を引退。
現在は仙台市在住。株式会社トータルサポート代表取締役社長として、宮城県川崎町を拠点に、地域と子どもたちがスポーツに出会う機会をつくる事業を展開。アーバンスポーツ複合施設「KSP カワサキスポーツパーク」を運営しながら、プロスキーヤーとして山にも立ち続けている。撮影・映像制作も自ら手がける。

Vector Glide × Jazzy Sport
道具にも、服にも、音にも、つくった人の考えが入っています。遠藤尚のチャレンジは、そういう本気の人たちに支えられています。